レインボーフラッグの色に込められた意味を分かりやすく解説！

こんにちは。お寿司が大好きすぎるWebライターのくるみです。

LGBTの象徴としてよく見かけるレインボーフラッグ。

最近では企業のロゴに取り入れられたり、レインボーグッズを販売したりするブランドも増えてきています。

虹といえば7色のイメージですが、実はレインボーフラッグは8色でできており、それぞれの色に意味が込められているんです。

そこで今回は、レインボーフラッグの色の意味や歴史、種類について詳しく解説していくよ！

レインボーフラッグはLGBTQ＋コミュニティのシンボル

レインボーフラッグとは、LGBTの尊厳と、LGBTの社会運動を象徴する旗のことです。

虹をモチーフにしたデザインになっており、「前向きで、私たちの愛を祝すもの」という意味が込められています。

LGBTとは

LGBTとは、以下のセクシュアルマイノリティの頭文字を取った言葉です。

L（Lesbian）	レズビアン	女性同性愛者
G（Gay）	ゲイ	男性同性愛者
B（Bisexual）	バイセクシュアル	両性愛者
T（Trance Gender）	トランスジェンダー	心と出生時の性別が一致しない人（性同一性障害を含む）

LGBT以外にも、デミセクシュアル・パンセクシュアルなど、さまざまなセクシュアルマイノリティが存在します。

虹をモチーフにした理由

虹には「美しさ」「多様性」という意味が込められています。

そのほかにも、LGBTの象徴として虹が選ばれた理由はいくつかあります。

レインボーフラッグの色の意味は？

レインボーフラッグは8つの色が組み合わさってできたもので、1つ1つの色にも意味が込められています。

引用：ギルバート・ベイカー・プライドフラッグ｜BAZAAR

色		意味
	ピンク	性
	レッド	生命
	オレンジ	癒し
	イエロー	太陽
	グリーン	自然
	ターコイズ	芸術
	ブルー	調和
	バイオレット	精神

レインボーフラッグには、「色の意味1つ1つが重なり合うことによって虹になる」という意味も込められているんです。

レインボーフラッグがLGBTの象徴になるまで

今でこそレインボーフラッグはLGBTQ+コミュニティのシンボルとなっていますが、デザインされた当初は同性愛への風当たりが強い時代でした。

そんな時代を変えるきっかけとなったレインボーフラッグは、誰がデザインし、どのように広がっていったのかを詳しく解説していきます。

最初のシンボルはピンクトライアングルだった

ピンクトライアングルは、レインボーフラッグが誕生する前にLGBTのシンボルとして用いられていた旗です。

引用：ホロコーストで消えた「ピンクトライアングル」は、なぜLGBTQのシンボルになったのか？｜サライ

1933〜1945年にナチスが行なったホロコーストでは、男性同性愛を撲滅するために同性愛者を犯罪者として扱い、約10万人が逮捕されたといわれています。

強制収容所に入れられた人々には逆三角形のマークが目印として付けられ、グループごとに色分けされていました。

男性同性愛者にはピンクの三角形が付けられ、これがピンクトライアングルの原点となっています。
女性同性愛者は処罰の対象外でしたが、反社会的とみられて逮捕され、黒の三角形を付けられていました。

ピンクトライアングルを付けられたグループは、過酷な強制労働や人体実験をさせられ、多くの人が虐殺されました。

その後、収容所から生き延びたハインツ・ヘーガーが執筆した「ピンク・トライアングルの男たち―ナチ強制収容所を生き残ったあるゲイの記録 1939-1945」が大きな反響を呼び、ピンクトライアングルがLGBTのシンボルとして広がっていきます。

レインボーフラッグが誕生する

1977年、サンフランシスコ市会議員にハーヴェイ・ミルク氏が当選しました。
ハーヴェイ氏はマイノリティの人々の権利を守る活動をしており、彼自身もゲイだと公表していました。

1970年代後半、ハーヴェイ氏はピンクトライアングルに代わる新たなシンボルが必要と考え、アーティストとして活動していたギルバート・ベイカー氏に旗の制作を依頼しました。

ギルバート・ベイカー氏
引用：LGBTについて｜Over the rainbow For LGBT

ベイカー氏は30人近くのボランティアと旗の制作を行い、2週間ほどの時間をかけて新たなシンボルを完成させました。

1978年6月25日、「ゲイ・フリーダム・デイ・パレード」で初めてレインボーフラッグがお披露目されました。

ハーヴェイ氏が暗殺される

ハーヴェイ・ミルク氏
引用：映画「ハーヴェイ・ミルク」上映とトークセッション｜香川レインボー映画祭実行委員会

ハーヴェイ氏が市会議員に当選してから11か月後の1978年11月27日。同僚のダン・ホワイトによってハーヴェイ氏が暗殺されました。

この事件をきっかけにレインボーフラッグの需要が高まったのですが、当時の技術ではピンク色を表現するのが難しかったため、7色に減らされました。

また、ターコイズは街頭にレインボーフラッグを掲げた際、街頭の柱と重なって色が隠れるという事情により、今のような6色のレインボーフラッグになりました。

LGBTの象徴として世界中に広まる

1990年代後半〜2010年にかけてレインボーフラッグの認知度が高まっていき、当事者・デザイナーによって、それぞれのセクシュアルマイノリティをイメージした旗が作られるようになりました。

2015年にはニューヨーク近代美術館（MoMA）のデザインコレクションにレインボーフラッグが「世界的象徴」として所蔵されました。

さまざまなレインボーフラッグの種類と色の意味

さまざまなセクシュアルマイノリティが存在するのと同様に、レインボーフラッグにもさまざまな種類があります。

ここでは、下記の4種類の旗を紹介していきます。

レズビアンフラッグ

レズビアン（女性同性愛者）とは、自身を女性だと認識した上で女性を好きになる人のことです。

レズビアンフラッグには色々なデザインがあるのですが、ここでは2019年のデザインを紹介します。

レズビアンフラッグ｜IRIS

色		意味
	暗いオレンジ	性不一致
	オレンジ	独立心
	明るいオレンジ	コミュニティ
	ホワイト	女性との関係性
	明るいピンク	平穏・平和
	ピンク	愛・性
	暗いピンク	女性らしさ

Twitterユーザーのエミリー・グウェン氏がデザインしたもので、SNSによって急速に広がりました。

元々の旗には左上にキスマークがデザインされており、現在でもキスマークをレズビアン・フェミニンの象徴として使用している人もいます。

バイセクシュアルフラッグ

バイセクシュアル（両性愛者）とは、異性を好きになることもあれば、同性も好きになることもある人のことです。

バイセクシャル（両性愛）フラッグ｜BAZAAR

色		意味
	ピンク	同性への魅力
	パープル	男女両方への魅力
	ブルー	異性への魅力

活動家のマイケル・ペイジ氏がデザインしたもので、バイセクシュアルの人の繋がりを意味しています。

トランスジェンダーフラッグ

トランスジェンダーとは、生まれもった性別とは異なる性別であると認識している人のことです。

トランスジェンダーフラッグ｜IRIS

1999年にトランスジェンダー女性のモニカ・ヘルムズ氏がデザインした旗で、「自分の人生における正しさを見つけようとしている私たち」という意味が込められています。

ストレートアライフラッグ

ストレートアライとは、性的少数者に理解のある人・寄り添いたいと考え支援する人たちのことです。「アライ」ともいいます。

ストレートアライフラッグ｜BAZAAR

白黒のストライプは、「LGBTQコミュニティをサポートする」という意味が込められており、レインボーのAは「味方」を表しています。

2000年代に初めて使用されたことが分かっていますが、誰がデザインしたかは不明なようです。

レインボーフラッグやレインボーグッズを使った取り組みには何がある？

ここでは、レインボーフラッグやレインボーグッズを使った取り組みを3つ紹介します。

LGBTQ+の活動やイベント

毎年6月は「LGBTプライド月間」として、世界各国でLGBTQ+の権利を啓発する活動や、パレード、イベントが実施される期間です。

ニューヨークやサンパウロでは100〜300万人がパレードに参加する年もあり、たくさんの人々がレインボーフラッグを掲げながら街を歩きます。

日本では「東京レインボープライド」というイベントが代々木公園で開催されています。

2012年から開催されており、毎年テーマが決められ、そのテーマに沿ったパレードが行われます。

パレードではレインボーフラッグや、「”性”と”生”の多様性」を祝福するメッセージを掲げ、渋谷・原宿を歩きます。

企業やブランド

LGBTQ+について取り組んでいる企業やブランドは、LGBTQ+関連のグッズを販売したり、キャンペーンを開催したりしています。

多くの人が1度は遊んだことがあるおもちゃ、「LEGO」では、セクシュアルマイノリティを象徴した11体のミニフィギュア「Everyone is Awesome（みんなサイコー！！）」を販売しました。

レインボーフラッグに使用されている6色に5色を加えた、計11色のカラフルなフィギュアは、1人1人のヘアスタイルが異なります。おもしろい！

この商品を開発したマシュー・アシュトン氏自身もゲイであると公表しており、「すべての人を受け入れる」というメッセージが込められています。

また、渋谷109では、2021年にシブヤ・プライド・マンス（SHIBUYA PRIDE MONTH）というキャンペーンが開催されました。

「＃ぜーーーんぶ愛だよね？」というキャンペーンタイトルを掲げ、LGBTQ+について考えるきっかけとなるグッズの販売や、ステッカーの配布が行われました。

アライであるという意思表示

「私はアライだよ〜」という意思表示として、レインボーグッズを身に付けるという方法があります。

レインボーグッズをさりげなく取り入れたい！という方には、ピンバッジやアクセサリーなどの小物系がおすすめです。

レインボーフラッグの色の意味を知ったら、温かい気持ちになった

今回は、レインボーフラッグの色の意味や歴史、種類などについて解説しました。

レインボーフラッグについて簡単にまとめると、

LGBTの象徴としてレインボーフラッグが広がり、LGBTへの理解が深まってきているのは嬉しいですよね。

しかし、レインボーフラッグの色の意味まで知っている人はまだまだ少ないと思います。

「色の意味もしっかり理解してほしい！」とまでは全然思わないけど、この記事を読んだ方のレインボーフラッグの見方が少しでも変わったら嬉しいなぁ～。